食中毒を防ぐためのHACCP

日本では、特に6月にかけての梅雨時や秋に食中毒事故が多く発生する傾向があります。厚生労働省の統計データを確認すると一目瞭然です。これは何故かというと、梅雨時は湿度が高くなるのですが、多くの食中毒を引き起こす細菌は湿度を好み、この時期には増殖しやすくなるからです。また、秋にかけて食中毒が増えてくる理由は、夏場に体力を消耗し秋には体力が低下している人が多いからと言われています。

冬にはノロウイルスによる食中毒の発生も増加傾向にあります。食中毒を引き起こす細菌も、時代の変化と共に強力になってきています。これは、細菌やウイルスは環境によって変異する性質があるからです。そのため、従来の衛生管理では年々食中毒を予防することは難しくなってきたのです。

ではどうしたらいいでしょうか。最も基本的で効果的なのは、HACCPという衛生管理システムを導入することです。このHACCPという衛生管理システムは、欧州やアメリカなどではだいぶ以前から義務化され浸透してきていましたが、日本ではその導入が遅れていました。ようやく2020年6月にこのHACCPの実行が、食品会社に義務付けられたという経緯があります。

このHACCPの導入によって、日本の食中毒の発生件数が減少傾向に向かい、多くの食中毒による被害者が減少することが望まれているのです。さらには、欧米ではこのHACCPが導入されていない施設で製造された食品は、輸入しない法律があるため、他国に輸出しやすくなる効果もあるのです。

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