食品の品質と生産性を向上させるには適切な方法で衛生管理を行う必要があります。衛生管理が適切に行われないと細菌やウイルスが繁殖し、食中毒などの原因になるので注意しなければなりません。サルモネラ菌や腸管出血性大腸菌、ノロウイルスなどによる食中毒は加熱処理を行えば防ぐことができます。黄色ブドウ球菌も菌自体は加熱処理すれば問題ありませんが、一旦毒素が作られると熱に強いため食中毒を引き起こします。
この細菌は人間の皮膚や鼻の中などに生息していて、傷やニキビなどを触りと手に移ります。食中毒を防ぐためには加熱処理を行った後の食品に触れないようにしなければなりません。HACCPはアメリカで宇宙食の安全性を確保する目的で開発された衛生管理手法ですが、世界中の食品関連企業に採用されています。この衛生管理手法は原材料の仕入れから出荷までの全行程を細分化してリスク管理を行うため、不良品の発生を防ぐことができます。
HACCPでは微生物や化学物質、異物など危害要因による健康被害を予測した上で具体的な管理方法を定めます。加熱や冷却など特に重要な工程は重要管理点と呼ばれ、連続的かつ継続的な監視と記録が行われます。HACCPは全ての工程を対象として事業所全体でチームを作って衛生管理を行います。全ての工程で適切な管理が行われるので、加熱処理後の食品に触れて細菌を繁殖させるようなことはなくなります。
HACCPを導入すれば徹底した衛生管理によって食品の品質と生産性を向上させることができます。